指導と教育の違い

似ているようで異なる指導と教育


これはあくまでも僕の解釈であるが美容業界の多くは“指導”だと思っている

最近はカリキュラムがしっかりしている美容室が多くなってきて、マニュアルなどもしっかり整備されてきている

技術教育というよりは技術指導という方がメジャーな気がする

美容師という仕事は技術指導を行い、規定をクリアしなければお客様に施術できない

先輩は自分のヘルプをしてもらわなければ困るので必然的に技術指導する

やり方を教えるのが指導


カリキュラムがあり、マニュアルがあり、一つの技術を習得するためにはプロセスがある

先輩はすでにこの技術を習得しているのでマニュアルに沿って技術指導する

まだできないスタッフには技術指導が有効でできないことをアドバイスしてできるようにする

指導の限界


最近あったこんなケースはどうか?

アシスタント歴2年のアシスタントがお客様からシャンプーのクレームを頂いてしまった

店長はすぐに先輩アシスタントに指導を指示した

先輩アシスタントは実際にシャンプーをさせて技術チェックを行い、問題点の改善をアドバイスした

それほど大きな問題はなく細かい部分の修正を行った

しかしその数日後…

また同じアシスタントが別のお客様からシャンプーのクレームを頂いてしまった!

もう一度シャンプーチェックをしてみるが前回同様これと言った問題は確認できなかった

できないことをできるようにすることが指導


できないことは技術指導で教えたらいい

しかし、できるはずのことができないのは指導では直せない

上記の例ではアシスタントを2年もやっていればシャンプーができないわけがない

シャンプーチェックをしたら特に問題がないということは技術の問題ではない

なぜシャンプーチェックのときのように上手にシャンプーできないのか?

これを探ることがスタートライン

なぜ?どうしたらできるのか?疑問を持つことが教育のスタートライン


技術チェックをしても特に問題がないのになぜクレームを頂いてしまうのか?

理由は様々であるが問題はメンタルにある

忙しいと集中してシャンプーできない…

夕方疲れてくると手を抜いてしまう…

そもそもヤル気がない、辞めたい…

etc…

ベストなパフォーマンスを発揮できない理由を探ることで正しい解決策が見つかる

まずはその原因を解決してあげないと仕事に集中できない

一人ひとりの内面に向き合うこと、後輩の人生に寄り添うことが教育


先輩として後輩の人生に責任を持つこと

自分の教育いかんで人生が左右されることの重みを噛みしめること

時に厳しく

時に優しく

今なにをしてあげることがベストなのか?

方法は様々であるが共通する点は後輩のメンタルのケアをしてヤル気にさせる、ということ

教育とは土台づくりであって躾もその一環である

魚を与えれば一日食べさせることができる、魚釣りを教えれば一生食べさせることができる(老子の言葉)


魚を与えることが指導で魚釣りを教えることが教育

教育は一生であり、指導は一瞬である

後輩のことを心から思いやり、一生豊かで幸せな人生を送れるようにすることを教育という

YOUHEI TAKEUCHI

夢は逃げない、逃げるのはいつも自分だけ http://mugen-group.co.jp/stylist/takeuchi_youhei/

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