先を見据えてイマを活きる

子供がかわいそう


最近よく聞くこのフレーズ

転勤族で転校させるのは子供がかわいそう…

まだこんな小さいのにお手伝いなんて子供がかわいそう…

などなど

決して間違っていない…たしかに子供がかわいそう、なことは多々ある

目先のことだけ考えたら確かにそんなことはやらせない方がいいし、親が解決してあげたら早いことが沢山ある

子供は大人になる準備期間であり、修行期間


と、考えたらいかがだろうか?

今現在のことではなく先を見据えた上でのイマをどう活きるか?どんな経験をさせるか?

もちろんその時々に乗り越えられる壁なのか、そうでないのかの判断は慎重に行うべき

ただ、学生時代にどんな経験をしたかで大人になってからの歩みが大きく変わる

以前のコラムにも書いたことなので多少重複してしまうが社会人になってから非常に苦労するスタッフをたくさん見てきた

その度にきっと学生時代の修行が足りていなかったんだな…とよく思う

大人がもっとイニシアチブを持つべき


昔は父親がテレビのチャンネル権を持っていた

ウチは父親が大の野球バカだったのでゴールデンタイムはいつもナイター中継だった

ナイター中継のない月曜日とドーム以外で行われる試合で雨天中止の場合だけ子供にチャンネル権が与えられた

まさに子供がかわいそう、である

夜は中学生になっても21時に寝かされた

21時からは中学生に人気のある番組が多く、友達との会話についていけなかった…

まさに子供がかわいそう、である

いずれも「何で大人はいいの?」という不満をぶちまけたが『大人はいいの』という全く理不尽な理由でぶった切られた

しかし、最近は子供にチャンネル権が与えられているお家が多いらしい

逆にお父さんが肩身の狭い思いをしているらしい

子供たちのために頑張るお父さん、お母さんが我慢しなくてもいいことを我慢することで子供はどんどん権利を獲得していく

そうなると子供は我慢を覚えない

世の中の理不尽に触れることもない

その結果…

社会に出てからたくさんの理不尽や我慢に耐えられなくなってしまう

目先の子供がかわいそうを潰していくことで将来的に子供がかわいそうなことになる

新入社員が多いこの時期

指導にあたる先輩、上司のみなさんはとても実感していると思う

それを徐々に長い目で見て育てられる先輩、上司に出逢えればいいが『最近の若いヤツは』で片付けてしまう先輩、上司も少なくない

“大人になりたくない”という子供が増えている現実


昔は早く大人になりたい!という子供がたくさんいた

私自身もその一人で『大人はいいの』という理不尽は理由に振り回されるうちに“大人になれば好きなことができる!“と大人に憧れた

子供よりも大人に多くの権利が集中していたのでその権利ほしさに早く大人になりたかった

大人が我慢すると自然と子供は『大人は大変だ、大人にはなりたくない、子供でいた方が自由だ』と思い込んでしまう

結果、大人になりたくない子供が増えてくる

大人が好き放題やっていいというつもりはないが大人がもっと自由になることで大人への憧れとなり、子供時代にある程度の負荷を経験することが社会人への準備の一つとなる

このことを美容業界に置き換えると…


大人はスタイリストにあたり子供はアシスタントにあたる

アシスタント時代をスタイリストへの準備期間あるいは修行期間と捉えられているか?

アシスタント時代に将来飛躍するための負荷を経験することでスタイリストになってからの本格的な美容師人生が始まる

そしてスタイリストが伸び伸びと(自分勝手とは違う)輝いていることがアシスタントがスタイリストになりたい!と強く思える動機となる

もっと大人が輝く社会を


子供が夢を持てない

果たして大人は夢を見せることができているのか?

大変そうな姿ばかり見せていないか?

不満や愚痴をこぼしていないだろうか?

今こそ社会人の先輩である我々大人たちが子供たちのためにイキイキと大人を楽しむ

仕事でなくてもいい

大人が自分の人生をイキイキと思いっきり楽しむことで子供たちがイキイキする

美容師はそんなお手伝いができる仕事

世の中の大人をヘアを通してカッコよくすることで大人がカッコよく活きるキッカケを作りたい!

そんな姿を見せることが美容業界の発展と繁栄につながる








YOUHEI TAKEUCHI

夢は逃げない、逃げるのはいつも自分だけ http://mugen-group.co.jp/stylist/takeuchi_youhei/

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